被着面積の違いが2ステップセルフエッチングプライマーシステムの接着性に及ぼす影響

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  • Influence of Bonding Surface Area on Bond Strength of Two-step Self-etch System

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抄録

目的:接着試験時の被着面積の違いが2ステップセルフエッチングプライマーシステムのウシ歯に対する接着性に及ぼす影響について検討する.材料と方法:実験に供試した2ステップセルフエッチングプライマーシステムは,OptiBond XTR (Kerr, USA)およびClearfil Mega Bond (Kuraray Noritake Dental)の2製品であり,コンポジットレジンとしてClearfil AP-X (Kuraray Noritake Dental)を用いた.被着体として,ウシエナメル質および象牙質を用いた.ウシ下顎前歯を化学重合型レジンに包埋し,唇側面をシリコンカーバイドペーパー#600まで仕上げたものを被着面とした.エナメル質および象牙質に対して製造者指示条件で歯面処理を行った.ボンディング材を塗布した後,直径2.4mmあるいは4.0mmの金型を固定し,コンポジットレジンを填塞,重合させ接着試片とした.試片の数は各条件について10個とし,24時間水中保管した後,万能試験機を用いてクロスヘッドスピード1.0mm/minの条件で剪断接着試験を行った.統計学的処理は二元配置分散分析およびTukey HSD test (α=0.05)を用いて行った.処理歯面および接合界面に関しては,電界放射型走査顕微鏡(SEM)を用いて観察した.成績:エナメル質に対する接着強さは17.7〜41.4MPaであり,象牙質に対する接着強さは22.0〜51.4MPaであった.被着面積の小さい条件で接着強さは有意に向上する傾向を示した.材料間の比較では象牙質の2.4mmの条件で有意差が認められたものの,ほかの条件では有意差は認められなかった.SEM観察からは,OptiBond XTRはClearfil Mega Bondに比較して脱灰程度が強い像として確認された.結論:被着面積は2ステップセルフエッチングシステムの接着性に影響を及ぼす因子になることが示唆された.

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