我が国紙市場の競争度の計測(原著論文)

書誌事項

タイトル別名
  • The Degree of COmpetition in the Japanese Paper Market (Original Article)
  • 我が国紙市場の競争度の計測--推測的変動モデルによる実証分析
  • ワガクニ カミ シジョウ ノ キョウソウド ノ ケイソク スイソクテキ ヘンドウ モデル ニ ヨル ジッショウ ブンセキ
  • 推測的変動モデルによる実証分析
  • An Empirical Analysis Based on the Conjectural Variation Model

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抄録

1990年代以降、我が国の紙・パルプ産業では、大規模な合併が繰り返し行われてきた。このような合併は、企業体質の強化を目途とした取り組みであるとともに、当該製品の各市場を寡占的な構造へと変化させ、その価格決定に際しては、寡占的なメカニズムにより規定されていることが示唆される。本論文の課題は、寡占化の進展が顕著にみられる新聞用紙および印刷・情報用紙を対象に、推測的変動を組み込んだ同時方程式モデルを用いて市場の競争度を検証し、併せて、これまでの合併等が、価格決定に及ぼした影響を明らかにすることにある。分析の結果、新聞用紙が寡占市場であることが実証されたのに対し、印刷・情報用紙は完全競争市場であることが明らかとなった。また、1993年および2003年の大規模な合併によって、市場の競争度が変化したか否かを検証した結果、両品目ともに、その影響はほとんどなかったこと等が明らかとなった。

収録刊行物

  • 林業経済

    林業経済 61 (7), 1-16, 2008

    一般財団法人 林業経済研究所

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