Papillon-Lefèvre症候群:カテプシンC酵素活性が臨床症状にあたえる影響

書誌事項

タイトル別名
  • Papillon-Lefèvre syndrome: impact of Cathepsin C activities on the phenotypic expression
  • Papillon-Lefèvre ショウコウグン : カテプシン C コウソ カッセイ ガ リンショウ ショウジョウ ニ アタエル エイキョウ

この論文をさがす

抄録

 Papillon-Lefèvre症候群 (PLS) は掌蹠を含む四肢末端の潮紅と過角化,若年性歯周囲炎を特徴とする稀な常染色体劣性遺伝性疾患である.PLS はジペプジルペプチダーゼ I (DPPI) としても知られる酵素カテプシンC (CTSC) をコードするCTSC 遺伝子の変異によって発症する.CTSC はシステインプロテアーゼであり,好中球エラスターゼなどのセリンプロテアーゼを活性化し,骨髄・リンパ球系細胞の炎症・免疫反応に関与する.<br>  今回我々は,CTSC 遺伝子上にある比較的稀な一塩基多型 (single nucleotide polymorphism: SNP) のひとつである c.1357 A>G (p.I453V) と,PLS における CTSC機能解析を行った.遺伝子型が c.1357A/A である健常人に比し,c.1357A/G の健常人における CTSC酵素活性は50%,さらに c.1357G/G の健常人では10%と段階的に低下することが明らかになった.さらに PLS患者の CTSC酵素活性は1 %以下であり,CTSC酵素活性がほぼ0になることより PLS が発症することがわかった.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 64 (1), 65-70, 2013

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ