Letter to the Editor:皮膚型結節性多発動脈炎とリベド血管症患者における抗リン脂質抗体(追加報告)
書誌事項
- タイトル別名
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- Letter to the Editor: Antiphospholipid Antibodies in Patients with Cutaneous Polyarteritis Nodosa and Livedo Vasculopathy : An Additional Report
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抄録
我々は2013年4月25日発行の本雑誌に発表した論文(若林奈津子ほか 東京女子医科大学雑誌 第83巻 第2号 86頁〜94頁)で、皮膚型結節性多発動脈炎23例(計24例中、1例は欠測)、リベド血管症11例、健常人コントロール16例で抗フォスファチジルセリン・プロトロンビン複合体(anti-PS/PT) IgM抗体を測定し、皮膚型結節性多発動脈炎におけるanti-PS/PT IgM抗体の関与の可能性について述べた。その後、皮膚型結節性多発動脈炎2例、健常人コントロール38例を追加し、皮膚型結節性多発動脈炎計25例、健常人コントロール計54例について再検討した結果、皮膚型結節性多発動脈炎と健常人コントロールの間でanti-PS/PT IgM抗体の値に有意差が得られたので、追加報告にて可及的速やかに報告する。,再検討の結果、皮膚型結節性多発動脈炎の25例中20例(80 %)でanti-PS/PT IgM抗体が陽性であり、健康人コントロールと比較して有意差(p < 0.05)をもって高値を示したことから、anti-PS/PT IgM抗体が皮膚型結節性多発動脈炎の発症機転において何らかの役割を担っていると考えた。一方、anti-PS/PT IgM抗体 はリベド血管症でも11例中5例(45 %)で陽性であり、1例では高値を示したことから、皮膚型結節性多発動脈炎とリベド血管症の一部の症例ではanti-PS/PT IgM抗体陽性という共通の基盤をもつことが示唆された。,以上より、皮膚型結節性多発動脈炎においては、リベド血管症でみられるような血栓形成が血管内皮障害をきたした結果、最終的に血管炎に発展することが推察され、全身型結節性多発動脈炎からは独立したclinical entityである可能性を考える。
収録刊行物
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- 東京女子医科大学雑誌
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東京女子医科大学雑誌 83 (6), 417-418, 2013-12-25
東京女子医科大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571698602867558912
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- NII論文ID
- 110009659607
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- NII書誌ID
- AN00161368
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- ISSN
- 00409022
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- CiNii Articles