ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)含有サプリメントによる歯周病患者の口腔環境改善効果

DOI
  • 菅野 直之
    日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座:日本大学歯学部総合歯学研究所高度先端医療研究部門
  • 藤井 健志
    株式会社カネカQOL事業部
  • 川本 亜紀
    日本大学歯学部付属歯科病院
  • 望月 小枝加
    日本大学大学院歯学研究科歯学専攻応用口腔科学分野
  • 伊藤 聖
    日本大学大学院歯学研究科歯学専攻応用口腔科学分野
  • 吉沼 直人
    日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座:日本大学歯学部総合歯学研究所高度先端医療研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • A Clinical Trial of Ubiquinol (Reduced Coenzyme Q10) Supplementation in Patients with Periodontitis

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抄録

目的:歯周病は歯周病細菌により引き起こされる炎症性疾患であり,発症により唾液中の酸化ストレスマーカーが上昇,治療により減少することから,活性酸素が関与する疾患の一つと考えられている.本研究では,軽度から中等度の歯周病を有するボランティアを対象に,ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)の摂取が歯周組織の臨床症状,口臭,唾液の抗酸化能に及ぼす効果を検討することを目的とした.材料と方法:被験者を2群に割り付け,実験群には還元型コエンザイムQ10(50mg)を含むサプリメントを,対照群にはプラセボを毎食後摂取させ,4,8週後に口腔内診査,口臭検査および唾液の採取を行った.成績:投与前後での臨床症状では,実験群でプラークの付着程度およびプロービング時の出血点の割合,対照群でプロービング時の出血点の割合に有意な低下が認められた.抗酸化能は,実験群ではやや増加したが,対照群では有意な低下がみられた.口臭の評価では,実験群で低下する傾向がみられた.結論:本結果から,還元型コエンザイムQ10の服用は歯周病による口腔内の症状改善に有用である可能性が示唆された.

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