おなら臭を主訴とした自己臭症患者に対するバイオフィードバック療法

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タイトル別名
  • Biofeedback Therapy in Patients with Olfactory Reference Syndrome Complaining of Flatulence Odor
  • オ ナラ ニオイ オ シュソ ト シタ ジコシュウショウ カンジャ ニ タイスル バイオフィードバック リョウホウ

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抄録

肛門からガスが漏れていると信じる自己臭症(自臭)患者に対して,肛門括約筋を強化するバイオフィードバック(BF)訓練を行った.対象と方法:大腸肛門科を受診した自臭患者でBF治療に同意した20名(男性9名,女性11名,平均年齢36.4±12.9歳)を対象とした. BF前後にWexnerスコアの算定,肛門内圧検査を行った.患者の自己申告をもとに総合改善度を評価した.結果:13.4±8.6回のBFを行い,自覚的漏れはWexnerスコアで8.1±3.7点から5.8±3.2へと有意に改善した(p<0.01).最大肛門静止圧は治療前後で差はなく,最大随意圧(MSP)は男性では325.2±57.6cmH_2Oから424.4±105.8へと有意に増加したが(p<0.05),女性では差はなかった.総合改善度は消失5名,改善11名,不変4名であったが, MSPの増加量とは相関しなかった.結語:自臭患者にBFを行い80%に有効であった. BFの直接的効果ではなく治療構造自体が治療的と考えられた.妄想が強くても適応可能な新しい試みである.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 53 (11), 1018-1024, 2013

    一般社団法人 日本心身医学会

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