幼稚園4歳児の対人葛藤場面における協同的解決

書誌事項

タイトル別名
  • Collaborative Resolution of Interpersonal Conflicts Occurred by 4-Year-Old Toddlers in the Kindergarten :
  • 幼稚園4歳児の対人葛藤場面における協同的解決 : 非当事者の幼児による介入に着目して
  • ヨウチエン 4サイジ ノ タイジン カットウ バメン ニ オケル キョウドウテキ カイケツ : ヒトウジシャ ノ ヨウジ ニ ヨル カイニュウ ニ チャクモク シテ
  • ―非当事者の幼児による介入に着目して―
  • How Toddlers Intervened in Others'Conflicts as Persons No Concerned?

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抄録

本研究においては,幼稚園4歳児は,非当事者として,他児に生じた対人葛藤にどのように介入し,協同的解決が図られるのかということを明らかにした。その手法として,幼稚園において4歳児の自由遊び場面とおやつ場面を中心にフィールド観察を行い,エピソード分析を行った。その結果,教師が葛藤を解決した場合,幼児は葛藤を注視するという行動を示した。この行動は,幼児の葛藤への気付きを示唆している。次に,非当事者の幼児と教師が葛藤に直接介入した場合,教師に葛藤時の状況を説明する,当事者の幼児に注意する,といった行動が見られた。非当事者の幼児のみが介入した場合には,加勢が仲裁より多く観察された。加勢は片方の幼児にとって有利な介入であったため,葛藤は必ずしも解決へと至らなかった。それに対して,仲裁は葛藤を解決へと導ける,公平で効果的な介入であった。一部ではあるが,葛藤を仲裁できる幼児が存在した。これらの幼児の介入法を模倣して葛藤に介入しようとする幼児も存在するため,他児の葛藤を仲裁できる幼児がクラスに与える影響は大きい,と考えられる。

収録刊行物

  • 保育学研究

    保育学研究 51 (2), 187-198, 2013

    一般社団法人 日本保育学会

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