高齢者の所得保障と年金

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タイトル別名
  • Income Security and Public Pensions for the Elderly in Japan

抄録

本稿は,高齢者の所得保障と年金に関して,高齢者の生活実態と公的年金制度の動向,今後の方向性,課題について明らかにするものである。まず,多くの論者が活用する政府統計による高齢者の生活実態に関する著作,論文を取り上げ,さらに近年進められている最低生計費調査にも触れた。生活問題を検討するためには,収入と支出の両面で考える必要がある。次に制度上現れる低年金者,無年金者の問題,進む年金制度の「改定」によって現れる定年年齢と年金支給開始年齢の間にある「空白期間」について,雇用の現状を踏まえて検討した。その上で,公的年金のあり方とその財源について,社会保障の理念に立ち返り,進む社会保障制度改革の議論について,批判的にみた。そして,高齢者の所得保障として,年金だけでなく社会制度を体系的に捉えることの重要性と,単なる所得保障ではなく,国民の生活を保障する「生活保障」の視点が不可欠であることを指摘している。

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 4 (3), 132-140, 2013

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681095481984
  • NII論文ID
    110009688489
  • DOI
    10.24533/spls.4.3_132
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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