Soil and related interfacial electric phenomena : 1. Soil and interfacial electric phenomena related to agriculture and environment

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  • 土壌と界面電気現象 : 1. はじめに:土壌における界面電気現象と農業・環境
  • ドジョウ ト カイメン デンキ ゲンショウ(1)ハジメ ニ : ドジョウ ニ オケル カイメン デンキ ゲンショウ ト ノウギョウ ・ カンキョウ

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Abstract

土壌の特微のひとつに,電荷を持っていることが挙げられる.電荷量の多い粘土の場合,陽イオン交換容量が約1molkg−1だから,この粘土1kg あたりの持つ電荷量は,1mol の電子が持つ電荷(= ファラデー定数) 9.64 × 104C に等しい.土の密度を1000kgm−3 とすると, 1m3 当たりにほぼ1 億C の電荷があることになる.100V の電圧で1kWh (= 3.6 × 106Jh−1)の電気ストーブを利用すると,1 時間当たり3,6×104C の電荷の流れが必要になるので,1m3 の土は,約120 日間電気を供給できる計算になる(岩田,1985 ).実際には電荷を取り出せないので電源には出来ないが,大きな蓄積量である.この電荷は,土壌に様々な現象を引き起こす。その影響は,土壌構造,透水性,土壌侵食,水移動,養分移動,汚染物質移動等に現れるため,農業や環境問題と密接に関連する. 土壌をとりまく現象を理解する上で,電気的な現象は興味深く重要であるが,基礎理論が難解に感じられるためか,残念ながら土壌学の研究者から敬遠されるようである.拡散電気二重層という用語には触れたことがあっても,それ以上深入りするのはためらわれるのが現状だろう,そこで,この講座では,入門用にわかりやすく解説していく予定である.今回は,土壌の電荷に起因する現象と農業・環境との関連について紹介する.2 回目は,電気化学の基礎をわかりやすく解説し,拡散電気二重層の理論を紹介する.3,4 回目は,読者の皆さんが気軽に使えるようになることを願って,界面電気現象に関わる測定法とその利用法について紹介する.5 回目は, 近年画期的な理論が展開された柔らかい粒子の典型である細菌を対象に,その細胞電荷表面と固体表面の相互作用について解説し,細菌が形成する世界を紹介する.最終回に,界面動電現象を利用した汚染土壌修復技術を紹介する.では,土壌の電荷が関係する現象をご紹介していこう.

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