ヨーロッパ諸国間における犯罪人引渡法制の現代的変容(2)効率性と人権原則との調和・両立を目指して  [in Japanese] New Trends in the European Law of Extradition : Adjustments between Effectiveness and Human Rights(2)  [in Japanese]

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Abstract

本稿は,テロとの戦いの時代における犯罪人引渡法の現代的な変容について,特に1957年ヨーロッパ犯罪人引渡条約及び2002年のEU逮捕状枠組決定に基づく犯罪人引渡制度を検討することにより,迅速かつ簡略な手続の採用による犯罪人引渡の効率性の推進と手続上の人権保障との間の生じる問題を考察することを目的とする。ヨーロッパ犯罪人引渡条約の場合には,締約国の数が多く多様な国内事情を抱える国が参加しているためにさほど急激な変化は見られない。これに対して,EU逮捕状枠組決定は革新的な制度を導入した。すなわち同枠組決定は,逮捕状の「相互承認」制度の下で迅速・簡略な犯罪人引渡制度を築いた。その下では,政治犯不引渡原則及び自国民不引渡の原則も適用しない。EU諸国がそれを可能としたのは,他国の刑事司法制度に対する相互信頼があったからである。しかし,実際にはEU諸国間において刑事手続に関する権利の保障はかなりの違いが見られる結果,各国の国内法と同枠組決定の間には緊張関係をもたらした。これを解決するため,EUは新たに刑事手続上の指令の採択を急いだ。こうした検討により本稿は,迅速かつ簡略な犯罪人引渡制度は,詰まるところ人権保障が前提として機能しているからこそ可能となるという命題を検証し確認することによって,国家間に刑事手続上の人権保障に対する信頼関係があってこそ,犯罪人引渡法の効率化が機能することを論じる。

Journal

  • Chuo law journal

    Chuo law journal 10(1), 63-117, 2013-06

    Chuo University

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110009772995
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA11990872
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Journal Type
    大学紀要
  • ISSN
    1349-6239
  • NDL Article ID
    024808520
  • NDL Call No.
    Z71-M895
  • Data Source
    NDL  NII-ELS  IR 
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