学制施行期の書籍館政策について : "free public library"としての東京書籍館の成立をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Library Policy at the Time when the Educational System (Gakusei) was Organized : Focusing on Establishment of TokyoShosekikwan as "Free Public Library"
  • ガクセイ シコウキ ノ ショセキカン セイサク ニ ツイテ : "free public library"ト シテ ノ トウキョウ ショセキカン ノ セイリツ オ メグッテ

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抄録

田中不二麿らによって伝えられた近代公共図書館思想の実践事例として東京書籍館から東京図書館までの時期があるとすれば,明治18年10月の無料制の廃止は日本における公共図書館のひとつの断絶といえる。そこで,なぜ明治8年という時期に無料公開図書館が設立され,それが10年間しか存続しなかったのかということに注目し,その原因について,田中文政期の政治的社会的状況を確認することによって検討した。大久保政権の成立過程で教育政策が田中らに委ねられるようになり,その中での学制施行の一環として書籍館についての施策が行われたことを明らかにした。そして,教育令の制定とその改正へと進んだ伊藤政権下において,教育政策が政権運営の全体構想の中に位置づけられるに及んで書籍館も大きな影響を受けたことが確認できた。このことによって,東京書籍館についても,新たな側面からの理解が可能となった。

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