医療経済評価研究における分析手法に関するガイドライン Guideline for economic evaluation of healthcare technologies in Japan

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抄録

日本においては,現在のところ実践的に広く使用されている医療経済評価ガイドラインは存在しない.このことは,各研究者によって行われる分析間の比較可能性を困難にし,さらには使用する分析手法がブラックボックスにおちいりやすく,経済評価の透明性が損なわれる結果にもつながっている.そこで,各国で作成されている医療経済評価ガイドラインや公表されている文献を参照しながら,研究班に参加した専門家のコンセンサスによってガイドラインを作成していった.研究班は経済評価の専門家から構成され,まずはガイドラインに必要な13セクションを同定した.各セクション内において,経済評価を行う上で方法論上の論点になる部分を抽出し,それに対する回答を作成するための検討を重ねていった.このプロセスは,2011年度と2012年度の2年度にわたって継続して行われ,参加したメンバーのコンセンサスにより,最終版は2012年度末に完成した.各項目は,簡潔な文章によって記述され,その意味するところを明確にするため3つの星によるレーティングシステムを用いた.ガイドラインでは,原則としては公的医療費支払者の立場を標準とする.ただし,分析の目的によってはそれ以外の立場を用いてもよい.アウトカム指標は,分析者が最も適すると考えるアウトカム指標を用いてよいが,質調整生存年(QALY)を用いた分析を含めることを推奨している.割引率は,費用・効果ともに年率2%で割り引くことを推奨している.本ガイドラインが,日本における経済評価研究の質と比較可能性を高めることが期待される.

There is currently no established guideline for economic evaluation in Japan. This leads to the lack of comparability across analyses and transparency. The purpose of this study was to develop a guideline for economic evaluation based on expert consensus. Our research team consists of economic evaluation experts. We identified the 13 sections as required for guideline development. The process of guideline development was discussed during FY 2011-FY 2012. Based on member consensus, the final version of the guideline was completed at the end of FY2012. Each item of the guideline is concisely and clearly described with a three star rating, which reflects the degree of recommendation. While the "public healthcare payer's perspective" is standard in this guideline, other perspectives can be applied as necessary depending on the objective of analysis. While the most appropriate outcomes can be chosen by analysts, inclusion of quality-adjusted life years (QALYs) is recommended. A discount rate for costs and outcomes of 2% per annum is recommended. The guideline is expected to improve the quality and comparability of economic evaluation research in Japan.

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 62(6), 625-640, 2013-12

    国立保健医療科学院

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110009808432
  • NII書誌ID(NCID)
    AA11751510
  • 本文言語コード
    JPN/ENG
  • ISSN
    13476459
  • NDL 記事登録ID
    025286212
  • NDL 請求記号
    Z19-152
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS 
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