GCFバイオマーカー検査を用いた歯周病とメタボリックシンドロームとの関連性についての横断的研究

DOI Web Site
  • 西垣 勝
    京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学
  • 山本 俊郎
    京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学
  • 宮谷 史太郎
    京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学 京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学
  • 渡邉 功
    京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学
  • 松井 大輔
    京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学
  • 栗山 長門
    京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学
  • 金村 成智
    京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学

書誌事項

タイトル別名
  • Association between Periodontitis and Metabolic Syndrome Based on Examination of GCF Biomarkers
  • GCF バイオマーカー ケンサ オ モチイタ シシュウビョウ ト メタボリックシンドローム ト ノ カンレンセイ ニ ツイテ ノ オウダンテキ ケンキュウ

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抄録

 GCF(Gingival Crevicular Fluid: 歯肉溝浸出貯留液)バイオマーカー検査を用いた歯周病とメタボリックシンドローム(MS)との関係について検討した.<br> 歯周病の指標は,CPI(Community Periodontal Index:地域歯周疾患指数)検査にて評価した.また,ペリオキャッチャーを用いて,GCFバイオマーカーの定量的分析を行った.MSは,MS 診断基準検討委員会の判定基準に準じて判定した.<br> 対象者は1,119名であった.CPI検査とGCFバイオマーカーの発現との関連性を認めた.さらに,MS関連指標とCPI検査およびGCFバイオマーカー検査の指標との関係をロジスティック回帰分析した結果,血糖所見ではLactoferrin(以下,Lf),BMI所見ではLf,α1-antitrypsin(以下,AT),血圧所見ではCPIとの関連性を認めたが,腹囲,脂質,MS所見ではそれぞれとの関連性が認められなかった.また,MS 関連指標とGCFバイオマーカー検査陽性項目数との関係では,バイオマーカー検査の陽性2項目以上は,陰性と比べBMI,脂質所見において有意な関連を認めた.<br> 本研究結果から,GCFバイオマーカー検査とMS関連指標の間には有意な関連があることが示された.さらに,GCFバイオマーカー検査は,歯周病の病態評価に有用な指標となる可能性が示唆された.

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