自宅で生活する女性高齢者の転倒と住環境との関連

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  • The Connection between Circumstances Regarding Falls among the Elderly Women Who Reside in Their Own Homes and Housing Environment

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抄録

目的:地域女性高齢者の自宅の住環境をふまえた転倒の実態を明らかにし転倒予防の支援について検討することを目的とした.方法:対象者は老人教養講座を受講している65歳以上の女性207名である.調査方法は各講座開催日に,無記名自記式調査を実施した.調査項目は,基本属性,転倒の状況,自宅の環境,からだの調子,日常生活の動作で構成した.結果:過去1年間の転倒経験者は49名(23.7%)であった.自宅内転倒者は14名(28.5%)で平均年齢は75.9±5.7歳と,転倒群全体の平均年齢より高かった.自宅内転倒者は同居者のいる者が多いこと,骨粗鬆症者が多いこと,受診の必要な負傷が多いこと,特に80歳代の2名(10.0%)は骨折にまで至っていたなどの特徴がみられた.自宅の段差と床面については,「門,玄関口に段差がありつまずきそうになる」「上がり框の高さが高くバランスをくずす」「マット,じゅうたん,台所マットがずれたりしてつまずきやすい」「床に電気のコードが広がっている」などの9項目で転倒群が非転倒群に比べありの者の占める割合が有意に多かった.住宅環境要因で転倒した者は自宅内転倒者の50.0%を占めていた.結論:自宅の段差等が転倒と関連していること,自宅内転倒は後期高齢者に多いことが示され,運動だけでなく自宅の住環境の改善内容をもりこんだ介護予防事業を考えていく必要性が示唆された.特に,後期高齢者の転倒予防を考えていくにあたっては自宅の住環境の改善が必要である.

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