幼児期の肥満予防に向けた研究課題の検討 : 先行研究からみた介入時期と方法について

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  • A Study of Literature to Clarify the Status and Future Research Tasks of Obesity Prevention among Preschool Children in Japan

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抄録

目的:幼児期からの肥満予防は世界的な健康課題となっている.わが国における小児肥満予防の研究の中心は,学童期・思春期であるが,小児期の肥満は幼児期に始まり,学童期の肥満へ高率に移行する.これは,幼児期から肥満予防に向けた取り組みの必要性を示す.本研究はわが国における研究成果を概観することにより,幼児期における肥満予防のための研究課題を得ることを目的とした.方法:研究対象は,「幼児」「肥満」「予防」を検索語として検索データベースより検出された,わが国の研究論文とした.これを分析フォームに基づきデータ化し,項目化した分析の視点に沿って整理した.結果:最近10年間に,幼児期の肥満を対象とした研究論文は少数であった.また,幼児期の肥満のスクリーニング方法,診断基準は多様であった.さらに,研究の場の多くは市町村や保健所であったが,保健師による研究は少数であった.加えて,幼児期の肥満のリスク要因は,生活習慣(食事,運動,睡眠)と親の認識,遺伝であったが,その半数は横断研究であり,因果関係の不明な要因もあった.考察:研究課題として,(1)幼児期における肥満の判定方法・基準を統一した研究成果の蓄積が必要であること,(2)幼児期に着目した肥満予防に向けた介入時期・場を検討するための研究が必要であること,(3)これまでに国内外で明らかにされてきた小児期の肥満のリスク要因に着目し,幼児期の肥満との因果関係を明らかにするために,縦断研究あるいは介入研究が必要であることが示唆された.

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