心身相関の源流にある「疲労」を科学する(2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))  [in Japanese] Fatigue and Mental Disorders  [in Japanese]

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Abstract

現代はストレス時代といわれ,ストレスの蓄積状態である「疲労」による,うつ病や自殺が増加している.このような状況を打開するためには,疲労のメカニズムの解明や,疲労を客観的に測定して予防することが必要となる.われわれはこの目的のために,人の意思では変化しない疲労のバイオマーカーを検索し,唾液中に放出されるヒトヘルペスウイルス(HHV-)6による疲労測定法を開発した.HHV-6は突発性発疹の原因ウイルスで,ほとんどの人の体内でマクロファージと脳内アストロサイトに潜伏感染している.マクロファージで潜伏感染しているHHV-6は,1週間程度の疲労の蓄積に反応して再活性化し,唾液中に放出される.このため,唾液中のHHV-6の量を測定することによって中長期の疲労の蓄積を知ることができた.脳の前頭葉や側頭葉のアストロサイトに潜伏感染しているHHV-6も,ストレス・疲労によって再活性化が誘導されると考えられる.われわれは,脳での再活性化時に特異的に産生される,HHV-6潜伏感染遺伝子タンパクSITH-1を見い出した.SITH-1発現は,血液中の抗体産生に反映され,血中抗SITH-1抗体を測定することによって,脳へのストレスと疾患との関係を検討することが可能であった.抗SITH-1抗体陽性者は,主としてうつ病患者に特異的にみられ,抗SITH-1抗体がうつ病のバイオマーカーとなることが示唆された.ヘルペスウイルスの再活性化の指標となる抗体のavidity indexを指標にヘルペスウイルス再活性化と精神疾患との関係を検討した.この結果,ストレスによって誘導されると考えられる単純ヘルペスウイルス1型の再活性化の亢進は,アルツハイマー病の前段階である健忘型軽度認知機能障害と関係することがわかった.これらの現象は,心身相関にはヒトそのものの因子の他に,体内に潜伏するヘルペスウイルスも関連し,社会的ストレスとともに複雑な因果関係を形成していることを示すものと考えられた.

Human herpesvirus is capable of establishing a lifelong latent infection of its host, reactivating frequently by stress and fatigue. We show the relationship between herpes simplex virus reactivation and Alzheimer's disease. We study the molecular mechanism of latency and pathogenesis of HHV-6, and find a latent protein of HHV-6 which may associate with mood disorder. Additionally we apply HHV-6 to the tools for monitoring and studying the fatigue.

Journal

  • Japanese Journal of Psychosomatic Medicine

    Japanese Journal of Psychosomatic Medicine 54(9), 828-833, 2014

    Japanese Society of Psychosomatic Medicine

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110009841116
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00121636
  • Text Lang
    JPN
  • ISSN
    0385-0307
  • NDL Article ID
    025703894
  • NDL Call No.
    Z19-26
  • Data Source
    NDL  NII-ELS  J-STAGE 
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