高次脳機能障害者の社会生活上で生じる「生活のしづらさ」がもつ意味に関する研究 : ソーシャルワークにおける働きかけの焦点の明確化

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Hardships in the Social Lives of People with Higher Brain Dysfunction : Suggesting Focal Points for Future Approaches in Social Work
  • コウジ ノウ キノウ ショウガイシャ ノ シャカイ セイカツ ジョウ デ ショウジル 「 セイカツ ノ シズ ラ サ 」 ガ モツ イミ ニ カンスル ケンキュウ : ソーシャルワーク ニ オケル ハタラキカケ ノ ショウテン ノ メイカクカ

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抄録

本稿の目的は,高次脳機能障害者の語りに着目し,生活のしづらさとその構造について明らかにすることである.そして,その作業をとおして働きかけの焦点を明確にするものである.研究方法は,定性的(質的)研究法である.調査方法は,担当ワーカーが同席のもとでインタビューを実施した.分析は定性的コーデングによって行った.分析の結果,高次脳機能障害者の生活のしづらさは(1)積み重ねられない体験,(2)自己の認識と事実のずれ,(3)自己による継続的否定,(4)他者による継続的否定,(5)社会関係への隘路として明らかにされた.また,カテゴリーごとに働きかけの焦点を提示することができた.これにより,本稿は,支援困難とされる高次脳機能障害者へのソーシャルワークを体系的に明示する可能性を示したといえる.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 55 (2), 54-65, 2014-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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