ケルビーノが啓いた現実 : ボーマルシェの原作から見たオペラ『フィガロの結婚』の革新性

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  • The real World revealed by Cherbino : The Innovation of Opera "The Marriage of Figaro" from a comparative point of view with Beaumarchais's original Play

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抄録

モーツァルトのオペラ・ブッファ『フィガロの結婚』K.492 はオペラの歴史に画期的な一頁を開いた。バロックのオペラ・セリアは、登場人物の感情を表現することによって、劇を形成していた。しかし『フィガロの結婚』では、盲目的な「欲望」が劇を動かす。この全く新しい劇的原理を明らかにしたのが、ケルビーノのアリアである。この論文では、ボーマルシェの原作との比較を通じて、ダ・ポンテとモーツァルトの「改作」の意味を検証する。そしてそこから『フィガロの結婚』がもつ画期性を具体的に解明し、バロック・オペラからの決定的な訣別の軌跡を辿る。

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