巡りゆくスターたち : 『君の名は』研究(<特集>戦後日本文学における"幻想(ファンタスム)/理想郷(ユートピア)"のゆくえ)

書誌事項

タイトル別名
  • The Film Stars on the Road : A Study of Kimi-no-na-wa(<Special Issue>Fantasy and Utopia in Postwar Japanese Literature)
  • 巡りゆくスターたち--『君の名は』研究
  • メグリユク スタータチ キミ ノ ナ ワ ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

昭和二七年から二九年にかけての菊田一夫『君の名は』のブームについて、映画のキャンペーンとロケの三事例を検討する。主人公二人の全国行脚は、それを演じた俳優たちの現前に注目すると、同時期に行われた昭和天皇の戦後巡幸と寓喩的関係にあることがわかる。俳優という人格を通じて作品の内外を連絡することで、典型的なメロドラマに見える『君の名は』にも、戦後日本を枠づけるという意味で国民国家を強化する側面が見出される。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 56 (11), 2-13, 2007

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ