「天声人語」の生成と<連載>(<特集><連載>の場と力学)

書誌事項

タイトル別名
  • A History of the Serial Column "Tensei-jingo"(<Special Issue>The Space and Dynamics of Serials)
  • 「天声人語」の生成と<連載>
  • テンセイ ジンゴ ノ セイセイ ト レンサイ

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抄録

明治三七年一月五日の「大阪朝日新聞」に掲載された第一回目の「天声人語」は、前年一二月の勅語奉答文事件に代表されるような対露強硬論の高まりの中でその名と記述を形成している。当時の「大阪朝日」の紙面では数少ない言文一致体と、それによって記される、書き手の責任を回避するような信憑性の希薄な情報によって、対露強硬論は展開されたのである。「天声人語」はそのような形で連載をスタートしたが、現在のそれは、結末に対する期待を予め孕んだ記述の束ではないという点において、もはや連載ではなく<場>として認識されていると言えよう。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 53 (11), 35-44, 2004

    日本文学協会

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