西南戦争と錦絵 : 報道言説の展開と明治一〇年代の出版界

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タイトル別名
  • The Seinan War and Brocade Prints : The Development of Media Narrative and Publishing in the Meiji 10s
  • セイナン センソウ ト ニシキエ : ホウドウ ゲンセツ ノ テンカイ ト メイジ イチ〇ネンダイ ノ シュッパンカイ

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抄録

本稿は、従来は想像で語るしかなかった、「西南戦争錦絵」と、新聞報道や文学作品との関わりを実証的に示し、西南戦争時の報道言説の展開を考察するものである。そして、そこからさらに、未だ不明な明治一〇年代の出版界の粗描を試みた。明治一〇年代には、「異種百人一首」の盛り上がりがあり、「賊徒」を忠・孝・義・貞の徳目を備えた人物たちとして描いた「西南戦争錦絵」がその素材源となった。この「異種百人一首」の流行は、明治一〇年代の出版界が、そうした主題を新たに獲得したことを示すのである。「西南戦争」という視座は、文学・浮世絵研究の空白域である明治一〇年の出版界を考究していく際に欠かせぬことを述べた。

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