村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』試論

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タイトル別名
  • An Essay on Haruki Murakami's Nejimaki-dori-chronicle
  • ムラカミ ハルキ ネジマキドリ クロニクル シロン

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抄録

村上春樹の作品には「井戸」や「闇」のイメージが頻出する。その原点には、村上が若いころに入り浸った映画館の闇の体験がある。「闇」は、まず「歴史性」を拒絶するものとして、作品に描かれる。『ねじまき鳥クロニクル』にも、「井戸」や「闇」は重要なイメージとして登場する。しかしこの作品では、村上は「歴史性」に接近しようとしている。こうした村上の転換には、映画『羊たちの沈黙』の影響を指摘することができる。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 47 (6), 49-59, 1998

    日本文学協会

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