<虚子の写生から小説へ>の意味 : 『文章世界』の「写生と写生文」特集から

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タイトル別名
  • From Naturalism to Ramanticism : Reading "Shasei-to-shaseibun"
  • キョシ ノ シャセイ カラ ショウセツ エ ノ イミ ブンショウ セカイ ノ

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抄録

明治四〇年三月に『文章世界』は「写生と写生文」という特集を組んだ。「写生と写生文とは、今の文壇を動かしつゝある一問題である」と特集の序文は敬意と親近感を表明しているが、その内実は「写生文」と「今の文壇」との間に横たわる断絶を強調するものであった。また同時に、その時期は、高浜虚子が「写生」に限界を感じ、それを「小説」において克服しようとしていたときでもあった。本稿は、同時代の虚子の試行を考慮に入れながら、自然主義の牙城ともいわれた『文章世界』が「写生と写生文」について物語ることの意味を探ろうとするものである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 46 (12), 42-53, 1997

    日本文学協会

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