宮沢賢治の童話に見られる批評性 : 「猫の事務所」の読みを通して(<特集>批評する文学教育-学校の現在と教材の力-)

書誌事項

タイトル別名
  • Critical Stance in Kenji Miyazawa's Juvenile Tales : Reading "Neko no Jimusho"(<Special Issue>Critical Literary Education: Current School System and Possibilities of Teaching Material)
  • 宮沢賢治の童話に見られる批評性--「猫の事務所」の読みを通して
  • ミヤザワ ケンジ ノ ドウワ ニ ミラレル ヒヒョウセイ ネコ ノ ジムショ

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抄録

「猫の事務所」に描かれているのは、官僚機構の中で起こった集団のいじめである。それらは、今日、学校で日常的に行われているいじめと同質ではないか。いじめる猫たち、いじめられるかま猫、ともに存在にはリアリティがある。読み手は、猫の事務所という仮想空間に、己れの現実を見る。だからこそ、いじめの解決が問題となるのだ。それを一挙に解決した獅子の登場にはどのような意味があるのだろうか。それらを通して賢治童話の批評性について考察したい。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 44 (8), 53-62, 1995

    日本文学協会

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