『煤煙』における誤読行為の歴史的意味 : そして、『峠』における誤読行為について(<特集>誤読)

書誌事項

タイトル別名
  • The Historical Meaning of Misreading in Baien and Toge(<Special Issue>Misreading)
  • 『煤煙』における誤読行為の歴史的意味--そして,『峠』における誤読行為について
  • バイエン ニ オケル ゴドク コウイ ノ レキシテキ イミ ソシテ トウゲ ニ

この論文をさがす

抄録

『煤煙』(森田草平)と『峠』(平塚らいてう)の二作品をとりあげ、誤読という行為の遂行されるされ方について考察する。前者における「誤読」は同時代の文学の地位の再編および読者共同体の均質化にからむ「読む」ことの前景化と繋がっている。同時に読まれることが無視されており、解釈ゲームから最も遠い「誤読」となっている。一方、その共同体に同一化しない態度をみせる後者における「誤読」は解釈ゲームとして現れている。誤読行為が遂行される際の二つの形態について述べ、その歴史的意味を問うた。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 45 (1), 27-37, 1996

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ