「虞美人草」論 : 甲野・宗近の形象について

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タイトル別名
  • On Gubijinso : About the Images of Kono and Munechika
  • グビジンソウ ロン コウノ ムネチカ ノ ケイショウ ニ ツイテ

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抄録

「虞美人草」の読解では、勧懲小説であるということ、「哲学」を主題とした作品であるということが、先験的に読解の枠として設定される。本論ではその読解上の枠の問題性を指摘した上で、作家漱石と作品の紐帯を解き放ち語り手である<作者>の位相から甲野・宗近の形象について検討した。その結果、甲野は<書斎>に閉じこもる「哲学」者であり、むしろ作品世界を具現し主導する者は宗近であると結論付けた。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 42 (5), 66-75, 1993

    日本文学協会

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