『彼岸過迄』論 : ダンディズムの構造

書誌事項

タイトル別名
  • On Higansugimade : A Structure of Dandism
  • ヒガンスギマデ ロン ダンディズム ノ コウゾウ

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抄録

田川と須永が友達であることの作品における意味は、田川を須永一族に接触させ、それによって田川の日常に波瀾が生じ、かつ田川系の物語から須永系の物語へと移行してゆくための仕掛け以上のものではない。田川と須永の無関係性は、それぞれが中心となる世界の無関係性へと敷衍される。小稿の目的は、田川系と須永系、二系列の物語が背理の関係にあることを明らかにし、それを通して諸短編の連鎖に有機的統一性を見出すことにある。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 42 (9), 22-33, 1993

    日本文学協会

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