好塩基球ヒスタミン遊離試験「アラポート<sup>®</sup>HRT」の鶏卵アレルギー診断への有用性(多施設共同研究)

  • 佐藤 さくら
    国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
  • 伊藤 浩明
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科
  • 宇理須 厚雄
    藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院小児科
  • 漢人 直之
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科
  • 中川 朋子
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科
  • 柘植 郁哉
    藤田保健衛生大学医学部小児科
  • 近藤 康人
    藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院小児科
  • 伊藤 節子
    同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科
  • 海老澤 元宏
    国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部

書誌事項

タイトル別名
  • UTILITY OF THE ALLERPORT<sup>®</sup> HRT IN THE DIAGNOSIS OF HEN'S EGG ALLERGY: A PEDIATRIC MULTICENTER CHALLENGE STUDY
  • 好塩基球ヒスタミン遊離試験「アラポートHRT」の鶏卵アレルギー診断への有用性(多施設共同研究)
  • コウエンキキュウ ヒスタミン ユウリ シケン 「 アラポート HRT 」 ノ ケイラン アレルギー シンダン エ ノ ユウヨウセイ(タシセツ キョウドウ ケンキュウ)

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抄録

【目的】鶏卵アレルギー診断におけるアラポート®HRTの有用性を検討する.【方法】鶏卵負荷試験を施行予定の患者51名にアラポート®HRTを施行した.採血は負荷試験前3カ月以内に施行し,アラポート®HRTおよび特異的IgE抗体価を測定した.アラポート®HRTの診断効率及び誘発症状の重症度との相関を求めた.【結果】51名のうち負荷試験結果が確定できなかった3名,low responder(抗IgE抗体によるヒスタミン遊離率20%未満)であった13名を除外した35名(年齢中央値4歳)を解析対象とした.負荷試験陽性は23名,陰性は12名であった.負荷試験陽性群では,非特異的ヒスタミン遊離量,卵白及びオボムコイド(OVM)刺激によるヒスタミン遊離率(%HR)が有意に高かった.ROC分析では刺激濃度が卵白:6ng/ml(AUC=0.9601),OVM:3ng/ml(AUC=0.9022)で最も診断効率が良く,同濃度での%HRのcutoff値を卵白:15.0%,OVM:3.7%とするとそれぞれ感度が卵白:95.7%,OVM:91.3%,特異度がEW:83.3%,OVM:58.3%であった.また,この濃度における%HRは負荷試験による誘発症状の重症度と相関していた.【結語】アラポート®HRTは鶏卵アレルギーの診断に有用で,誘発症状の重症度予測にも利用できる可能性が示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 64 (2), 136-148, 2015

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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