フロイトの科学と終わりなき回帰(コメント論文,フロイトからフロイト主義へ/病因論から教育言説ヘ-精神分析の心理学化と因果論の変容-,フォーラム2)

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タイトル別名
  • Science of Freud and Interminable Return
  • フロイトの科学と終わりなき回帰
  • フロイト ノ カガク ト オワリナキ カイキ

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抄録

下司氏の報告論文は、S.フロイトとH.ハルトマンにおける「精神分析の科学的位置づけ」の相違を検討することによって、精神分析の言説と教育の言説がどのように重なり合ったのかを探究するものであった。氏はすでにその著作において、フロイトとフロイト以後の断絶を、精神分析を基礎づけると同時に限界づける「メタ理論」のあり方という観点から検討しており、氏の報告論文は著作の枠組みを受け継いでいる。本稿では下司氏の報告論文と著作における議論を踏まえた上で、氏が報告論文の末尾で提起したフロイトの可能性を検討するための準備作業として、フロイトの「精神分析の科学的位置づけ」を氏とは別の観点から考察する。そのためにフロイトの議論のうちに、自らの実践と理論を基礎づけるという意味での「メタ理論」ではなく、自らの基盤を批判し、問い直すという意味での「メタ理論」を見出していく。

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