教育的思惟の歴史的構造の解明について(コメント論文,検証:思想運動としての教育思想史学会-私たちには何ができたのか/できなかったのか-,シンポジウム)

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タイトル別名
  • On the Analysis of Historical Structure of Educational Thinking
  • 教育的思惟の歴史的構造の解明について
  • キョウイクテキ シユイ ノ レキシテキ コウゾウ ノ カイメイ ニ ツイテ

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抄録

教育思想史学会規則第2条の「教育的思惟の歴史的構造」を、「教育を規定する思考様式の諸要素の相互関係の仕組みに備わった長期的には変動し短期的には不変な側面」と理解したい。近代教育思想史研究会の学会化の際に、それまで会員に賛同が求められていた「設立趣意書」がなくなった。設立趣意書は、会員に共通の研究方法の基礎を規定した、重い意義のある文書であった。私は、設立趣意書の立場に立った教育思想史研究が将来さらに発展していくことを願っている。シンポジウムで、原聡介氏と今井康雄氏から「教育的思惟の歴史的構造」を解明する方法論上の新たな論点が示された。設立趣意書に言う「今日の教育問題」を「ミクロなレベルの日常的出来事」ととらえた広田照幸氏の議論に対して、実際に例示された教育問題はそのようなものではなかったのではないかと述べた。学会「第3世代」の立場から「外への語り」を重視する山内紀幸氏の提案については、これが「教育思想史なき教育思想史学会」の提案になりはしないか心配だ。

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