私学の理念の証拠と現実 : ゆがんだガラスという方法論的観点から(コメント論文,シンポジウム2 私学の思想史)

書誌事項

タイトル別名
  • Do Historical Documents and Hearsay Evidence Prove Ideals of Private Educational Institutions? : From a Point of View of "Distorted Glass" Methodology
  • 私学の理念の証拠と現実 : ゆがんだガラスという方法論的観点から
  • シガク ノ リネン ノ ショウコ ト ゲンジツ : ユガン ダ ガラス ト イウ ホウホウロンテキ カンテン カラ

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抄録

本シンポジウムでは「『公/私』枠組みの入れ籠的な二重構造」という課題設定のもと、同志社大学と新島襄、慶応義塾大学と福澤諭吉の事例が報告され、その解明のための論証がなされた。だが私学の「理念」という側面から見たとき、そこにはすでに先立って「神話化」と「世俗化」のせめぎ合いの場が存在し、『福翁自伝』ほかのテクスト・史料であっても、新島のエピソード・事件であっても、それらは、素朴に現実を表現する「開かれた窓」でもなく、また、歴史史料に対する懐疑派たちが言うような史実を反映しない「閉ざしてしまっている壁」でもなく、「ゆがんだガラス」としての「史料」「証拠」という意味合いをもっているのではないか。このように「証拠」「史料」を「ゆがんだガラス」と見立てる方法論にしたがえば、「『公/私』の枠組みの入れ籠的な二重構造」の複雑さにアプローチする別の方途がありうるのではないか。その方向性を模索した。

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