一過性肺浸潤を認めた血管内悪性リンパ腫の1例

DOI
  • 川村 留美
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 渡辺 恭孝
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 岩井 悠希
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 白石 守
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 三輪 千尋
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 小山 信之
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 小山 信一郎
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of IVLBCL That Showed Transient Pulmonary Infiltration

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抄録

背景.血管内悪性リンパ腫は予後不良で早期診断と治療が必要であるが,稀に自然消退がみられる.症例.67歳男性.当院受診3年半前および2年前に発熱,肝機能異常,血球減少,肝脾腫を認めたが自然軽決した.再び同様の症状が出現したため当院を紹介された.LDH,可溶性インターロイキン2受容体が高値であり悪性リンパ腫が疑われたが,骨髄穿刺,皮膚生検では診断に至らなかった.受診後2週間後頃より,息切れと新たに胸部画像で両肺のびまん性すりガラス陰影を認め,経気管支肺生検(TBLB)を実施し血管内悪性リンパ腫の診断を得た.さらに,TBLB1か月後の治療直前の胸部X線写真ですりガラス陰影は消退した.結論.経過および臨床所見から悪性リンパ腫が疑われるも,骨髄生検や皮膚生検では診断に至らず気管支鏡検査にて血管内悪性リンパ腫と診断された1例である.生検後に未治療で肺野病変の消失を認めた稀な症例であり,文献的な考察を加えて報告する.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 37 (6), 649-655, 2015

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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