地元紙で読む北方領土開発計画

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  • Russia's Development Plan of the Kuril Islands seen from Local Newspapers
  • ジモトシ デ ヨム ホッポウ リョウド カイハツ ケイカク

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抄録

ロシア政府は2015年夏、北方領土問題で対日強硬姿勢を強め、15年で期限切れとなるクリール社会経済発展計画をさらに25年まで延長することを決めた。ロシアは西のクリミア半島と同様、北方領土の実効支配を強め、民族愛国主義高揚の手段に利用しているかにみえる。北方領土の情報収集は、短期間のビザなし渡航では難しく、国後、択捉両島で発行されている地元紙を読むのがデータ入手に有効な手段だ。四島は漁業、水産加工など開発潜在力は高いものの、自然環境、投資環境とも過酷で、開発の難易度が高い。ロシアは軍事目的もあって四島開発を重視しているが、汚職・腐敗も深刻で、住民の生活は厳しい。劣悪だった生活環境は政府の開発計画で改善されているものの、しょせんは公共投資による人工のミニバブルであり、公共投資が終了すると、島の経済は再び破たんしそうだ。地理的に近く、水産技術が高く、離島開発の経験豊富な日本にしか島の開発はできないだろう。

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