東シナ海の1980年5月における小型および微細植物プランクトン態炭素の粒状態有機炭素に占める割合

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タイトル別名
  • Contribution of Micro- and Nanophytoplankton Cell Carbon to Particulate Organic Carbon in the East China Sea during May 1980
  • Contribution of Micro and Nanophytopla

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抄録

東シナ海において1980年5月に、小型(>10μm)および微細(<10μm)植物プランクトンのバイオマスをクロロフィルaおよび細胞数として測定した。同時に粒状態有機炭素を測定した。小型植物プランクトンの細胞容積を幾何学的形状に当てはめて求め、変換式を用いて細胞当たり炭素量を算出した。微細植物プランクトンの炭素量は小型植物プランクトンの炭素:クロロフィルa比を用いて見積もった。有光層内の全植物プランクトン態炭素は貧栄養な黒潮水中で<6.6%と低く、九州に近い沿岸水中でも<40%であった。全植物プランクトン態炭素に占める小型植物プランクトンおよび微細植物プランクトンの炭素量は海域間の違いが非常に明瞭であった。すなわち、黒潮水中で微細植物プランクトン態の炭素が>90%を占めるのに対しで、沿岸水中では小型植物プランクトン態の炭素が>90%を占めた。小型植物プランクトンの炭素:クロロフィルa比が41以下と全体的に低いことから、現場の光合成活性が高いことが想像された。この高い光合成活性を維持している栄養塩の供給機構についても議論した。

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