診断に苦慮したミュンヒハウゼン症候群患者の尿道自傷の1例

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書誌事項

タイトル別名
  • Case of self mutilation of urethra in a Munchausen's syndrome patient
  • シンダン ニ クリョシタ ミュンヒハウゼン ショウコウグン カンジャ ノ ニョウドウ ジショウ ノ 1レイ

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抄録

33歳男性。患者は血尿および失神を主訴に近医を受診, 救急入院となり, 膀胱鏡にて球部尿道に出血を伴うびらんを認め, 精査加療目的に著者らの施設へ紹介入院となった。静脈性腎盂造影・腹部CTおよび生検では異常所見は認められず, 陰茎MRIにて外因性による尿道損傷が疑われた。一方, 失神の原因検索を行うも明らかな異常所見は認めず, 入院後も尿道よりの出血を伴う失神発作を繰り返した。失神する場所が常に個室トイレであること, バルーンカテーテル留置中は尿道出血だけでなく失神発作も起こさないこと, 明らかな原因疾患がないことより, 自慰行為を含めた自傷行為が強く疑われた。確定診断には至らなかったが, 繰り返す出血に対し対症療法にて経過観察を行ったところ, 偶然ウエストポーチの中より血液の付着した塗り箸がみつかり, これによる自傷行為と判明した。精神科による検査の結果, ミュンヒハウゼン症候群の診断に至り, 患者は精神病院へ転院となった。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 53 (11), 829-831, 2007-11

    泌尿器科紀要刊行会

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