FD における臨床研究の必要性とその課題 -授業コンサルテーションの効果測定を事例に-

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タイトル別名
  • Needs and Challenges for Clinical Study in Faculty Development: the Effect of Faculty Developers Using Individual Consultations
  • FD ニ オケル リンショウ ケンキュウ ノ ヒツヨウセイ ト ソノ カダイ ジュギョウ コンサルテーション ノ コウカ ソクテイ オ ジレイ ニ

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抄録

本稿の目的は、授業改善の一技法である、授業コンサルテーションの効果測定の試みを通して、FD における臨床研究の必要性とその課題を提起することにある。基礎研究が、研究者による、FD の歴史や諸外国の事例研究、FD に関する社会学的調査等を意味するのに対し、臨床研究は、実践者であるファカルティ・ディベロッパー(FDer)による対象への教育・支援活動、つまり自らの介入行為そのものの有効性を検証する研究を意味する。本研究では、筆者らの実施している授業コンサルテーションをその対象とした。過去のクライアント6 名に対して、アンケート調査を実施した結果、授業コンサルテーションは、クライアント全員に対して、授業改善への動機づけを高め、授業改善に向けた何らかの行動変容をもたらしたことが明らかになった。臨床研究は、教育改善のためのより効果的なFD 手法をFDer が共有するためにも、FDer と大学教員が対等なパートナーシップを持って業務を進めていくためにも、高等教育センターの存在を学内外にアピールするためにも必要性の高いものである。

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