遠山茂樹著『森と庭園の英国史』

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抄録

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本書の著者は、イギリス中世史を専門とし、長年、史料と付き合いながら、とくに御料林の問題を中心に地道に研鑚を積んでこられた研究者である。その彼が、この度、自らの専門研究も生かしながら、さらに視野を広げて、かなり幅広い読者層を対象にした著書を上梓された。著者が、本書のような一般向けの著書を著すに至ったのは、本学を含む複数の大学で一般教養向けの「イギリス史」や「西洋史」の講義を担当してきたことが背景にあったようである。「森と庭園」、なんとも魅力に富んだ「英国文化」の一面を映し出すテーマではないか。英国文化といえば、ジェントルマン、大英帝国、君主制などとともに、ガーデニング、ウォーキング、カントリーサイドなどの言葉を思い浮かべる人も多いであろうし、また英国人の暮らしに根ざしたそれらの文化がどのようにしてつくられてきたのか知りたがっている人も少なくないであろう。

収録刊行物

  • 駿台史學

    駿台史學 119 135-136, 2003-08-26

    駿台史学会

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