桜島の西道川流域の火山灰被覆斜面におけるガリー侵食による生産土砂量の経年変化

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  • Temporal change in sediment yield from gully erosion on the flank of the Saido River basin on Mount Sakurajima

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抄録

桜島の山腹斜面は,長期にわたる噴火活動の影響を受けて,火山灰に広く,分厚く覆われている。この結果,桜島の山腹斜面からは侵食によって多量の土砂が生産され,土石流・泥流によって多量の土砂が流出している。本論では,桜島の北側に位置する西道川流域を対象として,現地調査および空中写真判読の結果に基づき,ガリー侵食過程およびガリー侵食による生産土砂量の経年変化について検討した。さらに,噴火活動の経年変化がガリー侵食による生産土砂量のそれに及ぼす影響についても検討した。得られた結果は以下の通りである。 (1) 西道川流域の火山灰に厚く被覆された斜面では,広範囲にガリーが刻まれていた。ガリーの密度および規模だけでなく,流域面積に占めるガリー面積の割合も経年的に非常に大きな増加を示した。流域面積に占めるガリ一面積の割合は,2000年時点、で約50%に達した。 (2) ガリー侵食による年平均での生産土砂量および比生産土砂量,さらに雨量1mmあたりのガリー侵食による年平均での生産土砂量は,1984~1991年の期間に最大となり,その後噴火活動の衰退に伴って経年的に減少した。本論で解析対象とした1978~2000年の期間において,生産土砂量の最大値を示した1984~1991年の期間のガリー侵食による年平均での生産土砂量および比生産土砂量は,それぞれ約61,500㎥,約43,000㎥/k㎡であった。

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