Cis diamminedichloroplatinum (2) : (CDDP)を中心とした多剤併用化学療法時にみられる腎障害,ことに低マグネシウム血症について

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タイトル別名
  • RENAL TUBULAR DAMAGE AND HYPOMAGNESEMIA FOLLOWING CDDP COMBINATION CHEMOTHERAPY
  • Cis diamminedichloroplatinum 2 CDDP オ チ

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抄録

Cis-diamminedichloroplatinum (2) (CDDP)を中心とした多剤併用化学療法を行なった非セミノーマ睾丸腫瘍5例を対象として, CDDPによる慢性腎障害を検討した.Ccrは化学療法のコースごとに一過性に低下し, 休薬期間に回復するというパターンをくり返したが, 4コース終了後2症例に非可逆的とも思われる正常の50%以下の低下が見られた.尿中β2MGはコースごとにCcrの低下に先立ち一過性に排泄増加がみられた.血清Mgレベルは5例ともコースを追うごとに低下を示したが, 尿中Mg排泄量はCDDP投与時の利尿期に一致して正常の2~3倍に増加し, Mg補給がないと10 mEq/day以下の極めて低値となった.血清Caレベルも一過性に低下したが血清Mgレベルとの相関はなく, 4コース終了時ipTHは正常であった.今回の成績から, CDDPの反復投与により用量依存的に尿細管障害が見られ, GFRの減少とβ2MG排泄増加に平行して低Mg血症が示された.しかし腎障害の軽い場合, Mgの尿中排泄量の大小に関らず, Mg補給がなくとも低Mg血症は生じにくいように思われた.血清Na, K, Caレベルの維持にはCDDP投与時に, これらの電解質液の補給を要した

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 29 (5), 509-515, 1983-05

    泌尿器科紀要刊行会

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