岡山で生産される白色桃の果実サイズ別の果皮色と果汁成分

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  • Effect of Fruit Size on Skin Color and Juice Constituents in White Peaches Produced in Okayama

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抄録

岡山市一宮のモモの選果場に出荷された有袋栽培の‘橋場白鳳’(早生)、‘白鳳’(早中生)、‘清水白桃’(中性)および‘白麗’(晩生)から、3段階のサイズ(L、M、S)の果実を入手し、完熟状態(手で皮が剥ける)に達するまで25℃の室温においた。それらの果実について、果皮色と果汁成分の分析と果肉の食味テストを行い、果実のサイズによる品質の相違を検討した。‘橋場白鳳’では、S果実は地色が暗く、‘清水白桃’のL果実は着色が濃いが色調が暗く、‘白麗’のL果実は着色が薄くて黄色が強く、いずれも外観が劣った。果汁中の主要な甘味成分であるスクロース+フルクトース含量は、‘白鳳’、‘清水白桃’および‘白麗’ではSまたはL果実で高く、酸味成分のリンゴ酸+クエン酸含量は、それら3品種のL果実で最も低かった。‘橋場白鳳’では果実サイズによる糖・酸含量の有意な差がなかった。果実に苦みを与えるアスパラギン含量は、‘橋場白鳳’と‘白鳳’ではL果実で高かったが、‘清水白桃’と‘白麗’ではどのサイズでも含量が低かった。モモ香の主成分であるγ-decalactoneは、‘橋場白鳳’ではL果実で高かったが、‘白鳳’と‘清水白桃’ではM果実で、‘白麗’ではS果実で高かった。官能テストの結果、‘白鳳’のL果実と‘白麗’のS果実は食味が劣った。これらの結果から、岡山の「白桃」を代表する‘白鳳’‘清水白桃’‘白麗’の大果は、中程度の大きさの果実より甘味と酸味が低く、アロマが弱いなど、食味が薄く、肉質も劣ると考えられる。

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