教科書教材を「読む」(Ⅳ)・あまんきみこ「おにたのぼうし」論

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  • A Study on Kimiko AMAN's "ONITA no Boshi"

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抄録

小学校三年生の国語科教材として採録されている、あまんきみこの「おにたのぼうし」は、おにたという黒鬼の子どもと人間の女の子の交流を通して、他者を理解することの困難を主題化した作品として評価されている。本論では、善意の持ち主でありながら、人間には受け入れられない悲劇的な他者として位置づけられるおにたが、受け入れられないことを受け止めつつ「おにもいろいろある」という主張を貫く、その葛藤と変容の過程を読み取ることを最重要視した。そうすることによって、他者を同情や憐憫の対象とする態度を相対化し、他者への距離をこちら側から縮めることが可能になると考えられるからである。

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