セル培地に必要な散水量と植物体の大きさの関係

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  • セルバイチ ニ ヒツヨウ ナ サンスイリョウ ト ショクブツタイ ノ オオキサ ノ カンケイ

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抄録

セル育苗における灌水方法として用いられている頭上散水法の問題点を明らかにするため、実際の苗生産施設において、ブーム式の頭上散水装置による育苗ベンチ内の散水むらを調べた。また、苗齢(23、42日齢区)の異なるストックセル苗に散水ノズルによって散水(1/2セルトレイあたり0、150、300、450g)した場合のセルごとの水分吸収量の変動を調べた。ブーム式の頭上散水装置による散水量は、ノズルからの散水の重なり程度によって大きく異なり、散水量の最大値は最小値の約2倍であった。ブームの中央部においても散水量にばらつきがみられ、最大30%程度異なった。均一な散水を行った場合であっても、セルで植物が生育している場合には、散水量が少ないほどセルあたりの灌水量の変動が大きくなった。また、植物体(葉面積)が大きいほど、変動が大きくなった。以上のことから、頭上散水法で全てのセルに必要量散水するには、蒸発散量の2倍以上の散水が必要と推定され、セル育苗の灌水自動化にあたっては、灌水の均一化、養水分の利用効率の面から、頭上散水法より底面給水法を採用することが望ましいと考えられた。

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