ブドウ'巨峰'自根樹の根と母枝の耐寒性

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  • Cold Resistance in Root and Cane of Own-root 'Kyoho' Grapevines

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抄録

冬季が寒冷な地域で'巨峰'の地域制限栽培を行うためには、根の耐寒性限界を知ることが必要である。そこで、'巨峰'の2年生挿し木個体を12月及び1月に種々の低温で処理し、根のEC及びTTCテスト、組織形態の観察、根挿しによる発根テストなどを行った。その結果、-3.0℃で24日間処理しても直径1~2mmの細根ではEC,TTC還元力とも変化がないが、直径3~5mmの大根ではやや変化した。-4℃で12時間処理すると、細根、大根のECとTTC還元力が大きく変化し、根挿しの発根も抑制された。また、根の皮層と放射組織の細胞が破壊され、空洞が生じた。処理した個体の翌春の生長も著しく不良であった。したがって、自根の'巨峰'樹の根は-4℃以下の低温に1晩でも遭遇すると危険である。一方、母枝は-15℃で24日間処理してもECやTTC還元力の変化はなく、挿し木した後の発根も正常であった。しかし、-20℃処理ではECとTTC還元力が大きく変化し、発芽も完全に抑制された。

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