立地条件による学校林の相違と地域社会の関係 : 2001年学校林現況調査の結果から

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  • リッチ ジョウケン ニ ヨル ガッコウリン ノ ソウイ ト チイキ シャカイ ノ カンケイ 2001ネン ガッコウリン ゲンキョウ チョウサ ノ ケッカ カラ

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森林教育の場である学校林がその所在する市町村の立地により、どのような差異があるのかについて、2001年に実施した学校林現況調査データを分析することで明らかにした。学校林現況調査において所在が確認された学校林から、森林教育を実施することが多いと想定される小学校と中学校を抽出した。その上で、その所在市町村を農業地域類型と振興山村指定状況から5地域に分類して、そのうち都市地域(都市)、平地農村(農村)、山間農業地域(山村)の3地域の所在する学校林3637箇所について分析した。その結果、都市の学校林は、校地から距離が近く、樹種は針葉樹のみという学校林は比較的少数であり、広葉樹や果樹も含めて多様な林相を持つ割合が大きかった。また、設置目的は、教育目的に類するものの割合が比較的大きかった。管理については、学校関係者のみで実施している例が多いが、外部主体では地域住民の関わりが大きい。利用に関しては、他の立地条件に比べて活発であり、半数近い学校林で利用されていた。山村は、校地から遠隔地の学校林が多く、樹種は針葉樹のみという学校林が多かった。設置目的は林業教育が多く、また学校の財産としての利用を目的とした伐採の実績も多かった。管理主体では、森林組合の割合が他よりも多かった。利用状況はー番低調であった。農村については、都市と山村の中間的な性格を持つことがわかった。ただし、設置目的や利用内容を見ると基本財産としての目的が比較的多く、財産としての森林整備も実施されていた。この点は、地域共同体の組織力とも関わりがあると予想される。学校林の整備と利用を活性化するためには、これら立地による相違を意識した、例えば都市においては森林ボランティア団体、山村においては地域共同体等の地域主体との連携が必要である。

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