大規模カルデラ噴火の前兆現象 −鬼界カルデラと姶良カルデラ−

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タイトル別名
  • Precursory Events of Large-scale Caldera-forming Eruption -Examples at Kikai and Aira Calderas-

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抄録

カルデラ噴火に先行する地学現象について調査した。鬼界カルデラでは,1)少なくとも8000年間にわたる断続的なブルカノ式噴火,2)数百年前の山体崩壊,3)約百年前の脱ガスした流紋岩質溶岩の噴出,4)噴火中から噴火後にかけて2回の巨大地震の発生が認められた。これらの現象は,カルデラ噴火の前に長い休止期間が必ずしも必要ではないこと,カルデラ噴火の引き金は苦鉄質マグマの混合ではなく,脱ガスしたマグマの噴出であったこと,2回の巨大地震の発生は応力解放のためであることが推定された。一方,姶良カルデラでは顕著な前兆現象は見出されなかった。しかし現在のカルデラ周辺の地盤は過去数千年にわたり1.3 mm/年の割合で上昇しており,この上昇傾向が3万年前のカルデラ噴火直後から継続していると仮定すると,現在のカルデラには数10 km3のマグマが蓄積されており,現在も蓄積中であることが推定された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282676916977536
  • NII論文ID
    120002515150
  • NII書誌ID
    AN00027784
  • ISSN
    0386412X
  • HANDLE
    2433/129400
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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