小児吸収不全症候群の臨床的研究

DOI HANDLE Web Site PubMed オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Studies of Pediatric Malabsorption Syndroms
  • ショウニ キュウシュウ フゼン ショウコウグン ノ リンショウテキ ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

わが国では, 嚢胞性線維症やセリアック病の頻度が欧米に比較して極端に低いため, 吸収不全に関する病態, 診断, 治療の研究が遅れていた.近年になって, 内視鏡の発達, 遺伝子診断, 多種類の治療乳, 経静脈栄養法,さらには臓器移植へと展開され, 患児の適格な診断や病態の把握によって治療効果が期待されるようになった.乳幼児の小腸生検が, 器具の改良により比較的安全, 且つ容易に施行出来るようになり, かつては暗黒地帯であった吸収上皮の病変が把握され, 種々の疾患や症候群に分類されている. 表1は著者が分類を試みたものである. 中には日常診療で遭遇するのが稀なものがあり, 九大小児科在籍時の昭和45年から, 昭和54年以降は, 福岡赤十字病院で平成15年までの34年間に経験した次に記述する吸収不全症候群につき, 臨床像, 検査所見, 消化吸収状態, 治療および小腸生検が可能で診断や病態の解明に有用であるものについては, 組織学的特徴(光顕・電顕), 酵素学的所見につき検討した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ