テンスの「た」とアスペクトの「た」
書誌事項
- タイトル別名
-
- On tense-marking TA and aspect -marking TA
この論文をさがす
抄録
本稿は、日本語教育におけるテンスとアスペクトの導入で、これまで留意されなかった点を指摘する。動詞「た」形にはテンスとアスペクトの両方の機能が認められる。それが疑問文に用いられ、答えの文で否定形が現れる際、テンスとしての「過去」、アスペクトしての「完了」の解釈が顕在化する。従来は過去の一時点を示す時の副詞と共起する場合、および当該事態が過ぎ去ったこととして解釈される場合は、過去否定形「~なかった・~ませんでした」が使われるとされてきた。しかし、二人の外国人の日本語学習者がそれに対して疑問を呈した。過去を示す副詞と共起する場合でも、これらの形式が使われず、「~ていません・~てないです」というような形式が否定の答えに現れると報告している。上記の報告をデータとして、「過去否定形」が生起する条件を考祭した。そして話し手と聞き手の間に「過去の場の共有」が存在することが、過去形の生起の引き金になると結論づけた。
収録刊行物
-
- 北海道大学留学生センター紀要
-
北海道大学留学生センター紀要 8 1-13, 2004-12
北海道大学留学生センター
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050564288961713792
-
- NII論文ID
- 120003043431
-
- NII書誌ID
- AA11172014
-
- HANDLE
- 2115/45642
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- IRDB
- CiNii Articles