幼児における文字意識の発達

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  • Development of Print Awareness in Preschool Children

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抄録

本研究の目的は、幼児の文字意識の発達を実験的に検討することであった。そのために、幼児が文字の表記的特徴をどの程度理解しているかが調べられた。被験者は保育園の3歳児・4歳児・5歳児各40名、合計120名であった。まず、ウォーミングアップ課題として、被験者に絵と文字の弁別をさせた後、文字選択課題において次の(1)~(5)のタイプ別に文字カードを選択させ、年齢別に選択者を比較した。(1)見慣れた文字と見慣れない文字(2)単一の文字と複数の異なった文字の配別(3)単一の文字と複数の同じ文字の配列(4)複数の異なった文字の配列と複数の同じ文字の配列(5)直線的な配列と非直線的な配列。さらに、読字力と文字意識の発達的関連を調べるために、4歳児・5歳児に平仮名の読字力テストを行ない、その中の読字力高群と低群について、文字選択課題の成績を比較した。主な結果は次のとおりである。(1)就学前の幼児は、年齢が高くなるにつれて自分の周囲にある文字を「文字」として認識するようになる。(2)「文字言語」の表記的特徴である「複数の異なったもの(記号)が、直線的に連続して書かれ(印刷され)ている」ことについては,3歳の幼児でも、すでに或る程度理解可能な発達水準に達している。(3)4~5歳児では、平仮名の読みをほとんど習得していない幼児でも、すでに習得している者と同じ程度に、上記の「文字言語」の表記的特徴を理解している。

へき地教育研究室報告特集12

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050845762492527488
  • NII論文ID
    120003071801
  • NII書誌ID
    AN00181106
  • ISSN
    13404415
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10105/6524
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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