大腿骨近位部骨折用髄内釘の金属方向と周波数エンコード傾斜磁場の方向は, 磁化率アーチファクトの出現に影響を与える : open MRI を用いた検討(英文)

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  • The Orientation of Orthopaedic Metallic Devices Relative to the Frequency-Encoding Gradient Affects Susceptibility Artifacts : An Experiment Using Open MR Imaging

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抄録

整形外科骨接合術材料(以下, インプラント)の周囲に発生するMRI の磁化率アーチファクトを定量化し, 周波数エンコード傾斜磁場の方向の違いによる磁化率アーチファクトの発生について検討することである. 対象と方法 : 2種類の大腿骨近位部骨折用の髄内釘(ステンレス製, チタン製)をゲルファントム内に固定した後に, 0.4 Tesla open MRI(APERTO : 日立メディコ社製)を用いて撮影した. まず, インプラントのrod 部分の長軸に平行になるように周波数エンコード傾斜磁場の方向を設定して撮影した(Group R). 次にlag screw部分の長軸に平行になるように周波数エンコード傾斜磁場の方向を設定して撮影した(Group L). インプラント全体の磁化率アーチファクトとlag screw周囲のみの磁化率アーチファクトの面積を前額面とlag screw の長軸に沿った横断面で測定し, 両群間で比較検討した. 統計学的検討はStudent's t-test を用い, p < 0.05 を有意水準とした. 結果 : 磁化率アーチファクトの面積は, ステンレス製, チタン製共に, Group LはGroup R よりも有意に大きかったが, lag screw 部分のみに限定した場合は, Group L はGroup R よりも有意に小さかった(p < 0.05). 考察 : 大腿骨近位部骨折用の骨接合材料のような角度付きインプラントにおいて, 磁化率アーチファクトを減少させるためには, 目的の部分の金属方向に周波数エンコード傾斜磁場の方向を平行に設定することが重要である. また, Open MRI は体位を自由に変えることができるため, 磁化率アーチファクトを最小にする至適な位置を得ることが可能であることが示唆された.

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