マーシャルにおける経済学と倫理

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タイトル別名
  • Economics and Ethics in Alfred Marshall's Thought
  • マーシャル ニ オケル ケイザイガク ト リンリ

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抄録

本稿は,マーシャルの経済思想を社会改良の時代における歴史・倫理的思考との関わりで捉え,彼の思想体系のなかで考察しようとする.マーシャルにとって,経済学は富の科学であると同時に人間の研究であり,彼は「理論化された人間の歴史」としての社会科学を構想していた.狭義の経済学の対象を可測的な経済的動機,貨幣尺度に関係づけられる部分に限定しようするが,倫理学から経済学に進んだマーシャルは,「富の増大よりも生活の質の改善」を説き,経済的進歩は生活の質,生活基準の向上との関係で捉えられていた.マーシャルの思想には「生活こそが富である」というラスキンの思想と共通するものがあり,彼は,生活と富,人間と経済を結び付けようとしていた.

収録刊行物

  • 経済研究

    経済研究 59 (1), 46-58, 2008-01-25

    岩波書店

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